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眠れぬ夜更けには、いつも妄想に耽っていた

 

◆寝る前になるとなぜか脳内で妄想が始まって、そのせいで眠れなくなるなんてことが多々ある。

 

◆そういう妄想の一番古い限りでは、小学校5年生のとき。堀北真希版の『イケパラ』が当時流行っていて、私は毎週楽しみにそれを見ていた。ショートヘアで顔の整った中性的な女性がタイプっていうのも恐らくそこに端を発しているけど、それはまた別の話。

 あの頃私は堀北真希の逆で、何で自分にはおっぱいがないんだろうって本気で考えていた。実際今でもそう思うことはあるけど、今やそれは好奇心でしかないというか、おっぱいがあったらおもしろいだろうなとしか思ってない。でもあのときは確かに真剣に、自分におっぱいがないことを悩んでいた。小5の男子が。女子でもまだ膨らみ始めるかどうかの頃に。性の目覚めのクセが強い。

 

◆中学生になって、私は私の頭の中でテロリストを退治したり護廷十三隊の三番隊の第三席になったりしていた。最近Twitterで知ったんだけど、そういった妄想、みんなも一度は通る道らしいね。あなたの妄想はどこから?

 私はタチの悪いオタクだったから、思春期の人格形成期に一番やっちゃいけない妄想ばかりしていた。主人公をやるにしても、脳内の私は黒崎一護というよりは涅マユリや浦原喜助みたいな戦い方ばかりしていた。準備がいいというか、裏をかくというか。そうやって性格をひん曲げ続けてきたから、その結果がこの有り様なのもうなずける。

 

◆最近だと。24歳になるというのに妄想にふけるなというお説教は聞きたくないけれど。それこそ24歳にもなろうとしているから、眠れない夜はこの先の人生などを考えてしまう。私は結婚するのだろうか、どんな家庭を作るのだろうか。まだ見ぬ妻の黒塗りの顔、ショートヘアだけ確定させて。

 あるいは、あのときああしていたらとか、過去の分岐点での別ルートを考えたりもする。違う世界線ではどんな私がいたんだろう。すんなり第一志望の御社から内定をもらえていたのだろうか、はたまた今よりもずっと退廃の限りを尽くしていたのだろうか。

 

◆そして気づく。私はもう、妄想の世界でも主人公になろうとしていない。考えるのはファンタジックな「もしも」ではなく、未来か過去での「たられば」ばかり。ありもしない世界ではなく、あったかもしれない世界ばかり。おっぱいがあった私、テロリストを倒す私、そんな夢みたいな妄想さえ疲れてしまって、こんなご時世だからと、昨日の後悔と明日の不安ばかり考えてしまう。

 窮屈で鬱屈とした気分を抱えたまま、気づけば午前4時、バンプだって望遠鏡を片付けて家に帰る。そうして今日も夜が明ける。まもなく父が目を覚ます。不安は晴れてはないけれど、そろそろ床につくとする。