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23才の夏休み

 

◆夏が来ただって 今年も 僕はきっと何もしないです。しないです。

 

◆今年もまた一つ歳を取りまして、中坊のころよく歌っていたかまってちゃんのあの歌あの歌詞のそのままになってしまった23歳の夏休み。そも23歳になっても夏休みがあるなんて思ってもいなかったけど、ありがたいことにいまだモラトリアムを享受している。

     同期の多くは就職し、給金を得ている。夏休みなんてない。風に乗って流れてきた噂には、中学のとき嫌っていたアイツが、結婚してもう子どももいるよ、あくせく働いているよと、そう聞かされた。

    私はどうだ。ろくすっぽ研究もせず、高給なバイトだけをして、麻雀で大敗し、シーシャでバッドをキメている。溜まり溜まった陰鬱をTwitterに吐き出して、最高の夏をインターネットで台無しにしている。

 

◆ある晩、悪友から電話があった。仕事に就いた悪友は、ひたすらやるべきことを、やらねばならないことをこなし続ける日々に辟易していた。

「私には、何かをやろうとすればやれるだけの才が人よりはある、その自覚はある。でも、それをするだけのエネルギーがわかない。日々に忙殺されて、それだけで精一杯になる。わかるでしょう? だって君も同じなんだから」

    悪友め、誰よりも私を知りすぎおって。長くを過ごした家族でさえ気づいていない私の怠惰を、いとも簡単に見抜いてくる。

 

◆何者かになりたい気持ちばかり先走って、何者にもなれない無力に打ちひしがれて、追い打ちをかけるように今年もまた、夏の日差しはひどく容赦がない。これだけの金と時間があってもなお、生きているだけでエネルギーは目減りし、やりたいことを見つけるための余力が残らない。

    『やりたいこととやるべきことが重なるとき、世界の声が聞こえる』 かつて銀河美少年に教わった言葉は胸に刻まれてこそあれ、真価を発揮する日は、いまだやってこない。

 

◆今年もまた彼に会いに行く。もう三年経った、何が変わっただろう。彼に会って何を言えばいいだろう。ああ、まあ、私周りでのことなら彼に言わなきゃいけないことは山のようにあるし、彼のことだ、おおいに喜んでくれるだろう。あの悪どい笑顔がありありと目に浮かぶ。

    私も誰かと付きあったら人が変わるかしらと聞けば、悪友は言うのだ。「幸せな君は、きっと誰よりもつまらないよ」 んなこと知ってんだよとは言えなくて、夏。