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ホラー映画「ライト/オフ」が良質すぎて140字に収まらないので

 

 

 出来が良すぎてホラーなのに思わず感嘆のため息をもらしてしまった。構成・設定すべてに無駄がない「ライト/オフ」について書きたいと思います。

 

warnerbros.co.jp

 

  • あらすじ

 電気を消すと現れる厄介に立ち向かう話

 

  • そんなに怖くない

 この作品の一番いいとこは「そんなに怖くない」ってところ。だからホラー映画の怖いのが好きすぎてたまらないって人にはさっぱりおすすめできない。 

 もちろん怖いシーンは多々ある。最初のシーンなんか特に怖い。ただわりと予想がつくし、絵面より音で脅してるって感じだから、構えていれば耐えられるレベル。というか途中から慣れてくるふしがある。電気が消えたら出てくるってわかってるんだもん。

 それに加えて、「ライト/オフ」にはホラー映画特有の血がどばぁみたいなグロさとか、チープなセクシーシーンが全くない。エログロなんてはしたないわって人も大丈夫。いい意味で見やすいホラー映画。

 

  • まったく無駄がない

 ホラー映画を見てると必ずひとりは出てくる無能。だいたいヒロインの彼氏だったり、数人いる仲間のうちの一番おしゃべりなやつに当てられる役柄で、必要な役柄と分かっていてもあまりにアホすぎていらいらしてくる。いらん根性見せんでいいから走って逃げろ。

 ところが本作、そもそも出演者が5人くらいしかいないんだけど、みんな考え方がマトモ。鬱の病を負っているというヒロインの母親の思想言動が乱れているのは仕方ないとして、ヒロインの彼氏が驚くぐらい常識人でびっくりする。

 つまり見ていて不快感が全くない。アホがいないと物語はトントンと進む。中だるみというのがまるで感じられない。

 加えて本作、非常に短い。81分。ホラー映画としても短いほうだ。ストーリーも無駄に風呂敷を広げたりせず最も必要なことだけを描いている。それでいて謎が残ったりホラー特有の謎理論が始まったりするお約束も外さない。

 

  • 未公開シーンがよい

 この映画DVDで借りると未公開シーンがついてきます。これがまたよい。何が良いって、もしこれを本編でそのままやってたら圧倒的に蛇足だなってものを未公開シーンとして別に追加したこと。これが素晴らしい。

 未公開シーンでは後日談が描かれるのですがこれが本当に蛇足で、ちょこっとCGが使われるんだけどすんごいちゃちい。これ本編でやったらめちゃくちゃ白けたと思う。 

 でもこれを未公開シーンでやったというのは非常に意義がある。ヒロインたちがその後どうなったかをきちんと描きつつ、あくまで本編はエッセンスだけを濃縮させた完成品ですってのをよくあらわしている。

 

  • 映画として構成ができすぎている

 ホラー要素は人によって好き嫌いがあるだろうけど、本作は「設定が最大限に活かされている」「構成が無駄なくすっきりしている」点であまりにも良質すぎる。この素晴らしい作品に対してこんな冗長な感想を書いているのが恥ずかしいくらいに。

 ホラー映画としては物足りないところもあるかもしれないけど、一作品としてめちゃくちゃ素晴らしいのでぜひ見てくれ。ちょっと今夜は寒すぎるっていうなら今年の夏でもいいから、ぜひに。